季の手帖Ki no Techo

読みもの 01 台所

柿を、四つに切る

 約2分 季の手帖編集室

十一月の果物は、探さなくても視界に入ります。スーパーの平台、八百屋の軒、近所の家の玄関先。柿の色は、オレンジというより、ちょうど今ごろの夕方に近い色をしています。

買い方は、控えめにします。表示に「甘柿」とあるものを、一つか二つ。品種名が札にあれば、それも見ておきます。見た目だけで甘いか渋いかを断言するコツは、この編集室は持っていません。産地も品種も多く、万能の見分けは言い切れないからです。確実なのは、札を読むことです。

家に戻ったら、へたを落とし、縦に四つに切ります。種があれば親指で除ける。包丁は、切る前に水気を拭いておきます。果汁で滑らないためです。皿は白いほうが、色が騒がしくなりません。食事が終わってから出すと、今夜はここでおしまい、という線が引けます。

絵を押すと、切れ目が入ります。食べ方は本文の通りです。

渋柿を買ったときは、急いで食べません。室温に置いて、やわらかくなるのを待ちます。りんごと同じ袋に入れるやり方は、多くの家で知られています。かかる日数は部屋の温度で変わるので、何日とは書きません。香りと手触りで判断してください。

干し柿は、さらに先の仕事です。皮をむき、紐に通し、風に当てる。立冬の夜に始めなくていい。始めるなら、乾いた日が続くかを窓の外で見てからにします。

翌日まで置くなら

保存は、食べるのが翌日までなら、冷やしすぎない場所が向きます。風の通る涼しいところに、清潔な布か紙で包んで置く。三つ以上買ったときは、やわらかいものから先に切ります。硬い実を先に食べて、隣の実を潰さないためです。

柿を薬のように扱う話は、ここには書きません。美味しいか。食後に少し静かになったか。この手帖が見るのは、その二つです。

了